テーマ:ロープ、テープ、ワイヤー      発表者 よっちん 2005/08/02

1,            ロープ、テープの材質と特性

植物繊維、ワイヤー、人工繊維などがある。

人工繊維について

クライミングでは、ポリアミド系のナイロン(続生死P77)、アラミド系のケブラー、超高分子量ポリエチレンのダイニーマ〜スペクトラ(別紙資料)が、主な素材である。伸縮率が大きいものをダイナミックと言い、少ない物はスタティックと言う。

2,ロープ

ロープはクライミングロープ(ダイナミックロープ)と補助ロープ(アクセサリーコード)、救助用のスタティックロープに分かれる。クライミングのメインロープはUIAAの規格に適合した物で、同じ太さでも規格外の物は、補助ロープとなる。クライミングロープは、ロープのバネを利用し衝撃荷重の負荷を吸収、緩和し確保する役目があるので、伸縮率の大きいポリアミド系のナイロン繊維で出来ている。クライミングロープ、補助ロープ共に芯(コア)と、表皮(ブレード)からなり、強度の大部分はコアが受け持ち、ブレードはコアの保護の役目になる。クライミングロープのコアは特殊な網構造で伸縮性を持つが、補助ロープのコアに伸縮性はない。クライミングロープは、登攀スタイルにより、シングル、ダブル、ツインに分かれる。ナイロンは別紙資料の通り、熱に弱く水分を含むと強度が落ちる。また、伸びきった状態で尖った角で横ずれすると、鋸効果で簡単に切断する。ロープの切断事故はほとんど無いが、(生死P62〜)近年、越沢Bでの切断事故がある。耐尖強度は5,000m登りと懸垂下降で使用すると50%まで落ちる。(生死P67)ナイロンは熱に弱く、ナイロン同士の摩擦熱で簡単に融解する。(生死P136〜)科学薬品にも弱い。センターのマーキングは専用のマーカーでも使わないほうが良い。(続生死P87)新品のロープの末端のラベルは取っておく。(エキスパートテクニックP50)。また、トップロープで使ったロープはかなり強度が落ちているのでリードクライミングには使用しないほうが良い。(生死P135)使用後は土埃などの汚れを取る。濡れた場合は乾拭きして、風通しの良場所で陰干しする。家庭用の洗剤で洗うとナイロンの油分がなくなり、耐久性が減る。補助ロープは主にヒッチノットのスリング(コードレッド)と支点工作や、捨て縄として使う。スリングの結びはダブルフィッシャーマンが一般的だが、結びが大きくなるのでテープ結びを使うこともある。リング、RCCボルト、ハンガー、ハーケンの穴に直接掛けてはならない。単位面積あたりの圧力が大きくなるため切断強度が落ちる。基本的にランナーには向かない。ダイニーマやケブラーのコアは、熱してもナイロンブレードと着かないので、必ずブレードだけを焼いて溶接する。前進用にリングの取れたボルトヘッドに3mmの丸スリングをタイオフして使う事がある。補助ロープの強度は下記である。(エキスパートテクニックP33)

2mm 0.7KN ナイロン

3mm 1.8KN ナイロン

4mm 3.3KN ナイロン

5mm 5.8KN ナイロン

6mm 7.5KN ナイロン

7mm 10.5KN ナイロン

8mm 14KN ナイロン

5.5mm 18KN ダイニーマ

3,テープ

  テープは平とチューブがあり、同じ幅ならチューブの方が強度が高い。テープの連結はテープ結びで行う。破断強度が落ちるので捩れや、皺が出来ないよう丁寧に結ぶ。ただし、末端の出が少ないと簡単にほどけるので注意する。(続生死P100〜)丸ロープより単位面積の圧力が低い。同材質、同質量なら補助ロープより強度が高い。主にランナー用のスリング、支点工作や捨て縄に使う。ナイロンのノットテープスリングは粘りがあるので、支点がしっかりしていないルートではショックアブソーバーになりランナーに向いている。また、結びをほどいて多目的に使える。真ん中の線は切断を知らせる役がある。点検の際、線が寸断しているかどうか確認すること。高強度のハンガー支点のランナーはダイニーマのソウンスリングが向いているが必ずカラビナを介す。ダイニーマは摩擦が少ないので、切断して結びかえし使用することは出来ない。同じ理由でヒッチノットのスリングに使ってはならない。私個人の使用テープの強度は下記である。

  Troll 10mm平 5KN ナイロン

  Roca 12mmチューブ 5.5KN ナイロン

  Schlauchband 16mmチューブ 15KN ナイロン

  Mammut 8mmチューブ 22KN ダイニーマ ソウンスリング

  上記の強度は、テープ1本の単純引っ張り強度で、ダイニーマのソウンスリングの強度は、スリングの状態の強度である。例えば、12mmチューブ 5.5KN で、ノットスリングを作ると、完璧なテープ結びだとして、5.5×70%=3.85KN+5.5KN=9.35KNとなります。

4,ワイヤー

  ワイヤーは2mmでも5KNあり強度はかなり高い。鋼鉄製で油分が無くなり錆びが廻ると強度が落ちるので、機械油の補充メンテナンスが必要である。自分でかしめ(シンチ)ると、強度が出ないので、必ず既製品を使う。ナッツの細いワイヤーはリングボルトのタイオフに役立つ。