クライミング研究会「ハイネの山」第八回 


「セルフレスキュー初級Part3」


引き上げ(ライジング)

 フォローが宙づりや落石などのアクシデントに遭い、自力登り返しが出来なく、また、ロアーしても、安定した場所が無い場合、プーリーシステムを使って引き上げる。フォローはランナーを外せる状態とする。1/2、1/3、1/5、1/7がある。1/2はクライマーが行動可能な状態では、ゴボウも兼用するのでシンプルで早い。1/3はスラブなどで、クライマーが立てる状況なら次ぎに早い。宙づりになり登り返す手段が無い、手足を故障し自力で登り返せない。このような場合1/5か1/7で引き上げるが、1/7になると、引いたロープの1/7しか引き上げられないので、かなりタイトなシステムにしないと、労力の損失が大きい。システムとして、1/7を覚えるとその他も出来るようになるので、まず1/7から覚えたい。トップの引き上げや、フォローに意識がないなど、更に深刻な状況は中級になる。


1/7プーリーシステム

 1、確保器から負荷の移動
負荷の掛かった確保器を仮固定し、MP(マスターポイント:この場合終了点)にロッキングビナを掛けメインロープをクラブヒッチでBPする。MPの一番上側にストッパーをオートブロックで作る。巻き付けた余りが長すぎると自動ロックしないし、短くてタイト過ぎると、自動解除し難く、絡まる。
 2、負荷の移動
ストッパーを締め、確保器の仮固定を解除し、負荷をストッパーに移し確保器を取り除く。ストッパーのビナの下にロッキングビナを掛け、メインロープをターンさせる。このビナは最初のプーリー(滑車)になるので、大型のHMSが向いている。
 3、プーリーシステムに移行 1/7の構築
メインロープのBUのクラブヒッチを緩め、1.5m位ロープを出す。絞り忘れに注意。レスキューコードの末端をフォロー側のメインロープにモナ(よっちん結び)で連結し、テール側の遊びをなるべく少なくし舫結びで輪(ボウライン・バイト)もしくはインライン・エイトを作りビナを掛ける。フォロー側のモナを手の届く限り下へ延ばす。絞って、効きを確認する。コードの反対の末端をMP側のメインロープにモナで連結し、MPまで引き上げ、効きを確認すし、先のカラビナに通し、遊びをなるべく少なくし舫結びで輪(ボウライン・バイト)もしくはインライン・エイトを作りビナを掛ける。このカラビナにメインロープを通す。
 4、引き上げ作業
メインロープをコードの舫結びがビナ一杯になるまで引く。スライドをなるべく少なくするためにストッパーのオートブロックを絞り、引き手をゆるめ、ロードをストッパーに移す。2つのモナを手の届く限り延ばし、効きを確かめる。BUを調整する。フォローはランナーに掛けてあるロープを外す。以上を繰り返す。
 5、引き上げの最後
フォロー側のモナがクライマーまで届き、そのまま、腕力で引き上げられれば良いが、力が足りない場合、MP側のモナをスライドし、ちょっとずつ上げるか、1/3に切り替え、上げる。引き上げに気を取られBUが弛んだまま最後の最後でフォローを落とすとかなりの衝撃荷重がかかる。

注意1:引き上げるロープが岩角に当たって、尖断のおそれがある場合、ロープの下に雨具などを敷き、ロープを保護する。



参考:僕はレスキューループとコードはマムートのプロコードの5mmを使っています。細いが強度があり、セルフレスキューには最適です。レスキューループは長すぎても扱いにくいので40cmを使っています。コードは4〜5mです。